日々の活動報告やお知らせなど・・・

2009年2月28日土曜日

コミュカレ講座第8回 2・28

とうとう2月最後の講座が終わりました。
今日は外部講師として、富山大の岩岡先生に講演していただきました。
岩岡先生の紹介は大変長くなってきますので、ここは簡潔に・・・
現在は富山で教鞭をとっていらっしゃいますが、以前は東京女子大、そしてわが社のY氏の母校でもある国立リハビリテーションセンター学院でも指導されたご経験があります。そこで、虚弱高齢者・身体障害児の機能的身体自立におよぼす身体活動・運動の影響と、インクルーシブな身体活動の啓蒙・推進を行っていらっしゃいます


本日は、その経験を踏まえビデオやゲームを交えながら
「地域を拓く身体活動の可能性~みんなのダンス・フィールドの活動事例を中心に」を講義していただきました。
もともと明るく、やさしい印象の先生で、参加者のみなさんも楽しそうでした。

話は2部構成、
前半は「“からだを動かすこと”についての基礎的な理解 」、
後半は「 “からだを動かすこと”を介しての活動が持つ可能性~事例を通じて~」でした。

逆さめがね(左右が逆に見える)を体験し、文字を書いたりキャッチボールをしたり。つい思いがちな「見えるから動ける」という単純な誤った認識を、体験を通じて理解しました。動くことのベースには、視覚や聴覚、臭覚、深部体性感覚などの知覚とそれにからだでの動きが結びついた運動空間が必要であり、その運動空間は小さいときからの生活体験や身体活動の体験を通して形作られてくることがわかりました。

そして岩岡先生は、からだでの表現やコミュニケーションについて研究や指導をされていた西先生と共同で、それならば、「からだ」や「からだを動かすこと」を介して、他者と共感的に理解しあえないかということで、「地域で障害のある子どもと地域の障害のない子どもと一緒にダンスを通じて楽しい活動ができないか」と、最初は6人で、からだや動きで自由な創造と表現を楽しむ活動を開始しました。その活動は10年たった今、60人にも上る参加者がいるそうです。すごいですね。
私自身驚かされたのは、メンバーの一人当時は障害児の男の子が、最初はダンスなんてと恥ずかしがっていたのに、だんだんと学校の先生たちに指導したり、隣の学校で紹介活動をしたりしていることでした。本当に、日本でもこのように元気な障害児の活躍や、インクルージョンを実現しているというのは、すごいなと感動しました。

またほかに、おむすび登山会の紹介をしてくれました。
これは、元養護学校の教員の方々が中心になって始めた知的障害児を連れての登山活動で、それを支えるさまざまな人たち「登山サークル、大学生、父親、専門家などなど」とのつながりや、協力内容の説明があり、大変興味深いものでした。
現在おむすび登山会は、学校の枠では制限もあり、教員は職を辞して障害のある子どもたちの自然体験を支援する組織を立ち上げ、必要な資格をとり、今でも10年以上継続して活動しているとか。
非常に興味深いものでした。今年は、屋久島に登られる・・・予定だそうです。(われわれもこうしたレク活動、ぜひいつか、やってみたいものです。)

最後に岩岡先生、地域ということに着目し、簡単に私たちが行ったCBR(Community based Rehabilitation/ 地域に根ざしたリハビリテーション)の考え方と、意義を紹介してくださいました。

来週の私の講演にもつなげていただき感謝しています。
ありがとうございました。

また、休憩中に行う予定であったゲームですが、参加者の皆さんも協力、協調してチャレンジ。
かなり盛り上がってしまいました。10人がひとつのおもちゃを運ぶ(実際にこのおもちゃは奥が深く、2人から30人までが遊べるようなものもあるということでした=今回はMax10名ですが・・・)ゲームなのですが、そのバランスをとるのが難しいものです。教室の皆さんが一つになった!?貴重な一瞬でした。ぜひあのおもちゃ、われわれもほしいものです。(かなり高価!!)
でした。

最後に皆さんにも「あと1ヶ月ですので、ここはもう少し知りたかったとか、教えてほしいことがあれば次回までに考えておいてください」と付け足しておきました。もちろん、できる範囲でお答えします!ということでお話しましたが・・・(笑)
さまざまな背景を持つ皆さんです。でもできるだけ最善を尽くしてあと一ヶ月努めていきたいと思っています。

とりあえず
TAKIMOTO

2009年2月26日木曜日

コミュカレ講座第7回 2・21


今回のテーマは、
①「横浜ラポールにおける障害者のスポーツ、文化活動等の余暇支援」
②「車いすバスケ、視覚障害者卓球の実習」
として、会場を通常の「かながわ県民センター」から
新横浜にある「障害者スポーツ文化センター横浜ラポール」
<http://www.yokohama-rf.jp/shisetsu/rapport/>に移し、以下のような流れで実施しました。

1.施設見学

2.障害者スポーツの現状「横浜市の取り組みについて」
                (横浜ラポールの事業紹介)
3.障害者のスポーツ体験
   ①視覚障害者のスポーツ「サウンドテーブルテニス」
   ②車椅子のスポーツ体験「車椅子バスケットボール」
   ③質疑応答

受講者さんの中には(以前から名前は知っていても)初めてラポールに来たという人もいて、皆さん見学だけでも興味津々だったようです。講義についても、これまでの講座では概論的な話が多かったのに対して、現場での具体的な話をきくことができました。そして、なんと言ってもスポーツ体験ですね。はじめは慣れずに戸惑いもあったようですが、体育館という広いスペースで、操作性の高い車いすを使用して動くということは、受講者さんたちにとっては爽快だったようです。講義室で講師の話をきいて、頭で理解してゆくことも大事ではありますが、やはり実際に身体を使って現場を知り、体験することは、講義室では得られない大きなものがあると、受講者さんの顔をみて実感しました。最後には質疑応答の時間をとっていただき、受講者さんからは様々な質問が出ましたが、スポーツ課係長の八重樫指導員は、その一つ一つに丁寧に答えて下さいました。施設見学から質疑応答まで、日々の忙しい業務の中、本当にありがとうございました。また、車椅子バスケットボール体験では、元パラリンピック選手の伊藤指導員にご指導していただき、運営面の補助スタッフとして、横浜市障害者スポーツ協会の宍戸さんにもご協力いただきました。皆さん本当にありがとうございました。

YASUE

コミュカレ講座第6回 2・14

今回のテーマは「障害の特性に合わせた活動 2」ということで、国際武道大学の松井完太郎先生を招いて講義をしていただきました。松井先生は国際障害者武道協会<http://www.ne.jp/asahi/news/net/>の責任者でもあります。「障害者」と「武道」、一見ミスマッチな印象を受ける人もいるかもしれませんが、もちろんそんなことはなく、そして、そんな小さなことは吹き飛んでしまうほど、多義にわたってのお話をしていただきました。
受講者さんに対して事前に講義内容を簡単に伝えていましたが、おそらく「障害者武道講習会」のような内容を想像していたと思います。もちろん「武道」を通しての障害者支援という内容も含まれたお話でしたが、それよりも、「障害者に支援するということは、どういうことなのか?」という根本的な考え方を受講者さんが考え直す大きなきっかけを作っていただいたと思っています。
今回の講義については、松井先生のブログ<http://blog.canpan.info/kantaro/>にもアップされています。(2009年2月15日の日付で、「ボランティア講座」というタイトルでアップされています。)
先生のブログを拝見させていただくと、本当に様々な活動をされていることが分かると思います。今回の講義もカンボジアへ出発する1日前というお忙しい中でのことでした。
松井先生、本当にありがとうございました。
また、当日は、講義補助スタッフとして国際武道大学の学生である小田桐さん、運営面での補助スタッフとして、自分の後輩の内藤さん(沢渡病院)にもご協力いただきました。皆さん本当にありがとうございました。
YASUE

2009年2月8日日曜日

コミュカレ講座第5回 2・7

今回のテーマは、「障害の特性に合わせたスポーツ 1」ということで、株)カシスのエース、「T」による講演と実技を行いました。前日遅くまで、準備をしていたようで、気合十分でした。
まずは、講義!

概念ということで、特に「障害の有無にかかわらず、スポーツの意義」として捉えなおすことを参加者の皆さんの意見を伺いながら話を進めていきました。
改めて、スポーツを通じていろいろな可能性を広げることができるということを理解していただけたのではないかと思います。

それからおまけ・・・ではありませんが、われわれのシリアで行った活動の一つ、スポーツや体を動かすことで、互いの交流を深めたり、個人の意欲を引き出すきっかけとなったことの紹介として、「スポーツMax」でサッカーの北澤さんがシリアで現地訪問をされたときのビデオを見てもらいました。これまでおとなしかったダウン症の男の子がみんなの前で、フリーキック!をしたり、車いすの男の子が座ったままキックをしたり、参加者の皆さんもじっと見てくれていました。
さあ次は実技!
「キャッチボール」と「大縄」を通じて、いろいろな困難さを理解してもらい、そして互いに意思疎通を図りながら、全員で楽しめるようにと取り組みました。ボールの大きさ、素材、感触、硬さによって、キャッチボールの楽しめ方も異なります。なかなか皆さん苦戦していました。時には座って、時には片手で、時には目隠しをして・・・。
大縄では、目かくしをしたまま、2人で呼吸を合わせてトライ!!

人と息を合わせて飛ぶ、あるいは飛ぶ人に合わせて、縄を回すことに気をつける、皆さん息が上がりながらも、熱く取り組んでいました。「休憩してくださいね!」の掛け声でわれに返っていらっしゃいました。
体験を通じて、いかにその困難さを受け入れ、そしてどのようにサポートしていくかということを理解できたと思います。
参加者のみなさん、(そしてTさん)お疲れ様でした。
TAKIMOTO

2009年2月4日水曜日

コミュカレ講座第4回 1・31


第四回の講座テーマは
「手話を通じた聴覚障害者とのコミュニケーション入門」です。
横浜YMCA健康福祉専門学校講師の浅井先生を招いて、講義をしていただきました。
以下が講義内容です。

・手話の歴史
・聴覚に障害のある方について
(日常生活で困ること、聴こえの仕組み、機能的なことに関して)
・手話の特徴
・手話の基本表現(挨拶・5W1H表現など)
・指文字(日本語・英語・米語)
・手話検定5級例文紹介
・手話で童謡(ふるさと)

1時間半という短い時間に盛り沢山の内容でした。
手話について自分は、「終わり!」・「お疲れ様でした」・「ありがとう」程度しか知らず、今回は1受講生として参加しましたが、新しい語学を習得していくというのは、どんな言語でも難しいですね。
(若い時に比べるとホントに大変で・・・)
個人的には、「手話の歴史」や「手話の特徴」などが興味深かったです。記述で残っているだけでも、すでに紀元前4世紀以前から手話らしいものは見られるということや、日本でも欧米でも近代国民国家が姿を現し始めた時期に手話が抑圧され、口語主義が主流になること、また、それ以前の近世では、手話をたとえば神に近い言葉としてたたえていた地域もある等、手話の歴史だけでも1コマ使ってもいいぐらいでした。それと意外だったのが、電話の発明者ベルは、電話発明後には口話を提唱する政治運動をしていたことですね。聴こえの悪い人のために音声を電気的に増幅させる装置を作っている過程で電話機を発明したのに・・・。
手話の特徴では「同時性」についての話に「なるほど」と思いました。たしかに、2つ以上のことを同時に表すことができるのは、音声言語ではできない手話の面白い特徴ですね。また、方向性、空間や位置に意味をもたすことのできる手話を「空間の言葉」と言い表すのも面白いと思いました。

習った手話自体を書き表すことができないため、ついつい個人的に自分が興味を持った部分だけについて書いてしまいましたが、とにかく幅広く手話について知ることができました。
ただ、浅井先生には十分な時間を設定することができず申し訳なかったです。明るいキャラクターの先生は、そんな条件でも一通りの要点をしっかりと時間内で話して下さいました。
本当にありがとうございます。

さてさて、いよいよ次週からスポーツ関係のテーマが続きます。
障害があってもいろいろな形でスポーツが楽しめることを説明していきますので乞うご期待!
YASUE